医学・医療関係

単位のお話(ちょっと長いです・・・) (^_^;)

たまに、本業の医学の話題です。(^_^;)

先日、病棟の看護婦さんから、中心静脈圧(ちゅうしんじょうみゃくあつ)の単位が、本によって、cmH2O(センチメートル水柱)と、mmHg(ミリメートル水銀柱)の二通りあるが、いったいどう違うのかという質問を受けました。
中心静脈圧とは、説明すると長くなりますが、まあ、血圧の一種みたいなものですね。ただし、5とか10とか低い値ですが・・・。

単位の話をするためには、国際単位系についての知識が必要なのですが、まあ、血圧については、一般の方も、「今日は200を超えてとっても高い。」とか、「私は血圧が80ぐらいしかなくて低血圧なの。」などと言いますが、この、200とか80とか言っている血圧の単位が、mmHg(ミリメートル水銀柱)です。家庭用血圧計にも単位として記載されています。では血圧の単位はどうして、水銀柱なのでしょうか??

国際単位系の定めるところの圧力の単位は、[Pa](パスカル)です。Paの定義については省略します。以前は天気予報などで、台風の中心気圧はミリバールで表現されていましたが、現在は[hPa](ヘクトパスカル)ですね。h(ヘクト)は100の意味ですので、1[hPa]は100[Pa]です。
圧力を水銀柱で表示することは「トリチェリの真空」で有名な科学者トリチェリにさかのぼります。最近、家庭用の電子血圧計がかなり普及してはきましたが、今でも血圧は聴診器を用いて水銀血圧計で計測するのが基本ですので、[mmHg]が血圧の単位として使用されています。もし水銀血圧計ではなく、「水」血圧計で血圧を計測しようとすると、すごい高い(値段ではなく高さです;;)血圧計が必要となり実用になりません。身近に手に入る最も重い(密度の高い)液体が水銀なのですね。
1[mmHg] = 1.3332[hPa]ですが、「今日の血圧は100でちょっと低めですね。」というのを、「今日の血圧は133ヘクトパスカルでちょっと低いですね。」と言ってもいまひとつピンときませんね。(^_^;)
[mmHg]を別名「Torr(トル)」と呼びますが、トリチェリにちなんで命名されています。

最初の質問にもどりますが、中心静脈圧は、ふつうの血圧(これを体血圧:たいけつあつといいます)と違って低い値ですので、水銀でなくて、水(あるいは輸液)で計測することも可能ですので、目視で計測するためのキットがあり、それを使用する場合は、[cmH2O]で表現します。
水銀の密度は13.6(つまり水の13.6倍重い)ですので、1[mmHg]=13.6[mmH2O]=1.36[cmH2O]ということになります。
よって、1[mmHg] = 1.36[cmH2O]という、最初の質問の答えに行き着きます。

うーん、今回の話題はちょっと難しかったですかね・・・。
たまには、真面目な医学の話題も書かないと、小学生の息子から、ニセ医者と呼ばれてしまいますので・・・。(^_^;)

しかし、最近は中心静脈目視測定のキットはとんと見かけませんね。トランスジューサーでモニターに直接デジタル表示ばかりの様ですね。

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遺族が賠償求め提訴 奈良尾病院で「除細動遅れ死亡」

 遺族が賠償求め提訴 奈良尾病院で「除細動遅れ死亡」

以下、「長崎新聞 WEB NEWS」2007/3/6付けからの引用です。  

 二〇〇五年二月、新上五島町の県離島医療圏組合奈良尾病院に入院していた女性=当時(70)=が心室細動で死亡したのは除細動の遅れなど病院側の過失が原因として、遺族ら九人が五日までに、同組合に損害賠償約四千二百万円の支払いを求める訴訟を長崎地裁に起こした。第一回口頭弁論は四月十七日。 訴えによると、女性は同年二月十二日、体調を崩し血圧が高いことから同病院に入院。十四日午前六時半ころ、病院内のトイレで倒れているのを入院患者が発見した。駆け付けた看護師の呼び掛けに「はい」と答えたが、同三十四分に心室細動の波形が確認された。 医師らは心臓マッサージをした後、同四十三分に電気的除細動器でショックを与え、除細動に一回成功。しかし、心臓の収縮力が次第に衰え、同七時五十分に死亡した。死因は慢性心不全による心室細動だった。 原告側は「除細動が早期に行われていれば生存の可能性があった」と主張。病院側は「適正に処置したと認識している」としている。 心室細動は心臓が不規則に細かく収縮と緩みを繰り返す状態。心臓のポンプ作用が失われて心肺停止につながる。この心室細動を除去することが除細動。除細動による救命率は、心停止から一分以内なら90%と高いが、五分で約50%、十分で約10%、十二分を超えると数%に低下するという。 〇四年七月の厚労省通知で、従来は医師や救急救命士だけが使えた自動体外式除細動器(AED)の一般使用を解禁。県によると、昨年八月現在、県内計百十七の公共施設に設置されている。

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 奈良尾病院は、長崎県の五島にある病院です。地元離島住民のために頑張っておられる病院です。詳細な経過を存じませんので、はっきりしたことは言えませんが、しかし、病院で急変されても、やはり救命できないことは十分にありえます。医療人であれば、入院中の患者で、気づいたときにはすでに死亡されていたという経験はあるでしょう。本例では遅延無く心肺蘇生術を開始されており、病院としては何の落ち度もないと思うのですが。遺族としては、「除細動による救命率は、心停止から一分以内なら90%と高いが、五分で約50%、十分で約10%、十二分を超えると数%に低下するという。」ということだから、すぐに除細動を施行していれば救命できた可能性が高いから、救命できなかったのは過失だ!!、ということでしょうか?  もちろん、心室細動を呈していて、心臓マッサージなどの心肺蘇生をしないのであれば、できるだけ早期に除細動したほうが救命率が向上するとは思いますが、本例は心肺蘇生(心臓マッサージ)を施行されていました。逆に、心室細動が早期の除細動で回復しても、心臓の収縮が弱ければ、やはり救命できないのであって、心臓マッサージが必要です。本例では、もともと慢性心不全があったということで、早期の除細動のみでは救命できない可能性も高いと考えられ、やはり心臓マッサージを優先すると思うのですが・・・。きちんとしたやり方で心臓マッサージを続けていれば、除細動が遅れても、それで救命率が低下するとは言えないと思うのですが、どうなんでしょうか??
 離島の病院でも、こういった訴訟が起きるぐらいですから、離島の病院で働きたい人はいなくなってしまいそうです。(*_*) 離島住民全体にとって、マイナスだと思うのは小生だけでしょうか? もちろん、日本国民には、裁判を起こす権利が与えられていますので、訴訟を起こすのは自由ですが、こういった医療訴訟が起きると、当該病院の医師、看護師らは、さらにストレスでしょうね。長崎県は、多額の予算でドクターヘリを運行開始させました。県としても、離島医療圏としても、頑張って行こうとしているのに、こういった医療訴訟を聞くと、なんだか、むなしくなってきます・・・。今後は、病院で患者が死亡したら、医療ミスがあったはずだといって、訴えられるようになるのでしょうか? 不可抗力の病気でも?? もう、やってられませんよね。今後は、患者や家族に、入院時に、「入院中、何かあってもいっさい文句は言いません。訴訟なんていたしません。」という、念書が必要ですかね。もちろん法的拘束力は無いでしょうし、みんな、書きたくないでしょうが・・・。(^_^;)  

 と、言いながらも、日曜日の午前6時半をすぎて、病院内です。さきほど、入院患者が死亡されたもので・・・。やっぱり、なかなか睡眠がとれませんですねぇ。 (>_<)

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一斉退職カバー予定の医師2人も退職 国循センターICU

以下、Sankei Webから引用です。

国立循環器病センター(大阪府吹田市)の外科系集中治療科(ICU)の5人の専門医全員が3月末で一斉に退職する問題で、4月以降ICUをカバーすることになっていた心臓血管外科からも40代のベテラン外科医2人が3月末で退職することが9日、分かった。

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先日、国立循環器病センターで外科系ICU医師5人が退職するというニュースがありましたが、さらに、外科医師も2人退職するとのこと。循環器の砦である、国立循環器病センターですから、就職したいと希望する医師は多い(?)でしょうから、まもなくスタッフは充足するかとも思いますが、どうなんでしょうねぇ。内部の人間でなければ、詳細なことはわかりませんが、業務内容(の多忙さ)やスタッフ間の人間関係など、いろいろと問題があるんでしょうかねぇ? まあ、結局迷惑なのは患者なのですがねぇ・・・。国立病院は、国の機関ですから、細かくスタッフ数も決められており、簡単には変更できません。忙しいからといって、たくさん雇いたくても、そう間単に職員の枠を増やせないのです。ただし、国立病院も、独立行政法人のいう名前で、独立採算制となりましたので、スタッフ数の変更に関しても、だいぶ融通が利くようになってきたのでしょうか・・・??

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ICU医師全員退職へ 国循センター

以下、YAHOOニュースから引用。

「ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難」

国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、外科系集中治療室(ICU)の専属医師5人全員が、3月末で同時退職することが28日、分かった。
同センターによると、ICUには5人の専門医が所属。所属長の医長を含む2人のベテラン医師が辞職を表明したのをきっかけに、指導を仰げなくなる部下の3人の医師も辞職を決めたという。
ベテラン医師2人は辞職の理由を「心身ともに疲れ切った」と説明しているという。
同センター運営局は「特にベテラン2人に代わる人材はおらず、これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど患者に影響を与えるようなことはない」と話している。

あーあ、とうとう、循環器疾患の砦でもある、大阪の国立循環器病センターでも医師の辞職問題がおこってるんですね・・・。 
心臓手術を受けた患者さんは、手術が終わったあと、ICUに入り集中的な術後の治療を受けますが、普通の手術と違って、不整脈がでたり血圧が変動したりして、分単位で状態が変化したりします。したがって、ずっと監視していないといけません。国立循環器病センターのように大きな施設では、手術を施行する執刀チームと、術後の管理を行うICUチームとに分かれて、心臓手術患者の治療を行いますが、一般の病院では、それほど医師数に余裕はないので、手術チームがそのまま術後管理を行います。ただでさえ、心臓の手術は神経を使いますが、その後も患者のそばで、術後管理をしながら(患者を見守りながら)、一夜を明かすわけです。
国立循環器病センターについては、確かに少ないICUのスタッフで、年間1000例のICU管理を行っているので、「心身ともに疲れる」でしょう。「ベテラン2人に代わる人材はおらず」といいながらも、今後も「患者に影響を与えるようなことはない」と述べてます。なんか矛盾したようにも思えますが、手術待ちの患者さんに、余計な不安を与えたくない配慮からの発言でしょう。おそらく、今後は、一般の病院と同様に、執刀チームが引き続きICU術後管理を行うということなのでしょう。手術件数も多いでしょうから、それも大変と思いますが・・・。

結局、どこも、医師は大変なのです。ろくに労働基準法に守られることもなく、休日出勤あたりまえ、ずーっと休みなしで重労働。当直翌日も普通勤務です。奉仕の精神だけでやっていけるものではありません。無償のボランティアではないのですから。それでも、何か医療事故を起こすと、ここぞとばかりに、マスコミは騒ぎ立て、逃亡や証拠隠滅をしようとはしていないのに、逮捕者まででる始末。まあ、手術や治療後に死亡したりすれば、ミスじゃないかと疑心暗鬼になる気持ちはわかりますが、一定の頻度で、合併症は起こりうるものです。100%安全な治療はありません。検査にしてもそうです。
そういう小生もここのところ「心身ともに疲れて」きました。(+_+;) 2月もあっという間にすぎましたが、結局平日はその日のうちに帰れたことはありませんでしたし、土日も明るいうちに帰ったのは1日ぐらいしかありませんでした・・・。(+_+)
やっぱり、今月も「今年の目標」を達成できませんでした。(*_*) 

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勤務医「1か月休みなし」が27%…医労連調査

勤務医「1か月休みなし」が27%…医労連調査   

読売新聞からの引用です。

1か月の残業時間についても、労災申請を受けた労働基準監督署が過労との関連性が強いと判断する「80時間以上」と回答した医師が3割を超え、勤務医の過酷な労働実態が浮かび上がった。96%の医師が宿直明けの日も連続して勤務し、6割が「慢性疲労状態」と答えた。5割以上の医師が、「職場を辞めたい」と考えたことがあり、9割の医師が医師不足を実感。「医師確保・退職防止に必要な条件・環境」として、86%の医師が「賃金や労働条件の改善」を求めている。

まあ、医師の勤務実態なんて、こんなものでしょうね。別に驚くことではないですよね。だいたい、当直して翌日も普通に勤務なんて当然ですし、てっきり、医師には労働基準法は適用されないのだと思っていましたがどうなんでしょうか・・・。(^_^;) 重症患者が多いと、なかなかその日のうちに帰れませんし、休日も出勤せざるを得ませんし、患者が急変すれば、夜中も明け方も容赦なく、呼び出されます。緊急患者や外来患者も来院されますし。まあ、24時間オンコールみたいなものです。小生も去年の8月以来、たぶん休みは取ってませんねぇ。年間350数日は出勤してますもんね。
上記によると、月に80時間以上残業すれば過労となるわけですね。小生も余裕で規定の2倍以上越えてますね。今死んだら、間違いなく過労死認定です・・・。(^_^;) 賃金減らしていいですから、勤務時間を減らしてくださいよ~。(>_<)
医療ミスがひとたびおこると、すぐに、あれこれ騒ぎ立てられますが、医師の過酷な労働条件については、これまであまり触れられていませんでした。もっともっと、劣悪(?)労働条件をアピールして、一般に認知してもらう必要がありそうです。睡眠不足と慢性疲労の状態でもって、細心の注意をはらいながら全くミスの無い仕事ができるはずがありません。医者も人間です。小生もよく寝ながら(?)仕事してますので、ここだけの話、ちょっとした間違いはよくしでかしてます。(^_^;)

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ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とよばれるお薬があります。いま、高橋英樹さんや黒柳徹子さんが、テレビコマーシャルで宣伝しています。後発品とも呼ばれます。あまりいい言い方ではないのですが、医療関係者の間では「ゾロ品(ぞろひん)」と呼ばれたりします。

薬というものは、高額の開発費用がかかっているため、いったん認可されたあと、厚生労働省がその薬の価格(薬価、やっか)を決め、一定期間は開発メーカーに独占製造・販売権が与えられます。これが「先発品」ですね。しかし、一定期間がすぎれば、他のメーカーも同じ成分の薬を製造・販売できるようになります。これらは「後発品」と呼ばれます。後発品は先発品の半分~数分の1程度(薬によっては10分の1程度 !?)の薬価に設定されているため、こちらに変更すれば、お薬代は安くなるし、医療費削減にもつながるため、厚生労働省としても後発品導入に意欲的です。実際うちの職場でも、少しずつ後発品に変更されてきています。これはこれで良いことと思います。

さらに、日本ではまだ一般的ではないですが、外国では、医師の処方箋に一般名を記載し、薬剤師が複数ある会社の薬剤を選択して患者に投薬するという形が取られているところもあるようです。たとえば、テレビコマーシャルでもご存知の胃薬「ガスター」ですが、これはあくまでもアステラス社の商品名であって、一般名は「ファモチジン」です。処方箋に医師が「ファモチジン錠10mg」と書けば、「ファモスタジン」、「ファモガスト」、「ガスメット」など複数の商品から好きな薬(?)を選べるってな感じです。なお、日本国内で販売されている、一般名「ファモチジン10mg」をとってみても、なんと20社以上あるようです。

まあ、薬代が安くなるので、万々歳、といいたいところですが、なかなかそうもいかないようです。たくさんの薬がでまわると、まず、医療関係者がそれだけ沢山の名前を覚えなければならず、これはなかなか大変です。少なくとも、小生の職場の看護婦さんたちには不評です。小生もそうですが。(^_^;) また、薬局としても在庫管理の煩雑さの問題もありますし、先発品は長く使用されているので、副作用報告などの医薬品情報も一定の積み重ねができていますが、後発品は世にでて日が浅いので、あまり情報が無いかもしれない。特に薬剤師さんにとっては、医薬品情報というものは大事です。さらに、まったく有効成分は同じとはいっても、薬というものは有効成分のみではなく、それ以外にも、有効成分を安定させたり変性させないために含有させるいろいろな添加物が含まれていることがあり、100%同一成分ではないこともあります。 小生の体験ですが、先日、ある外来患者さんが、ある先発品(不整脈の薬)を1日1個ずっと服用されてて、あるときから後発品に代わって、服用を続けられたら、どうも体調が悪いといわれ、結局その後発品は服用中止にしてもらいました。システム上、先発品はもう処方できないのですが、どっちみち、そろそろ中止にしようと思っていた矢先だったので、大きな問題は無かったのです・・・。

と、いうようなわけで、必ずしも、ジェネリック医薬品が100%良いともいえないときもあるようです。医療費抑制策としては大変歓迎すべきことなんですがねぇ・・・。

なお、内服薬のジェネリック医薬品に関しては、サイト「お薬100番」の「薬価サーチ」の項目で、検索した薬剤と同効品の一覧が検索できます。なお、このサイトは一般の方だけでなく、医療関係者にも役立ちます。小生もよく使用させてもらってます。お勧めです。(^_^)v
http://www.jah.ne.jp/~kako/

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